ECBのテーパリングと円キャリートレード

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北朝鮮のミサイル実験で地政学リスクが、これまでにないくらいに高まっているというのに、オジ円を始めとしたクロス円が上がり続けるという異常な相場になっています。今までだったら、大きな戦争が起こりそうになると過剰反応で、クロス円はパニック的に売り込まれていたのに、一体どうなってんだって感じです。新興国通貨が買われて、一見リスクオンになってるように見えるんですけど、ゴールドは上がってるし、ドル円は指標が悪くてガラっています。リスクオンなのかリスクオフなのか全然わからない不思議な相場で、トレードするのがものすごく難しい。

このクロス円の上げに関して、巷で言われているのが機関投資家が円キャリートレードに走っているということです。キャリートレードというのは低金利の通貨を調達して、高金利国の株式や国債に投資するというトレードです。キャリートレードは金利差が大きいほど儲かるので、低金利の円やユーロが使われ、円キャリートレードとかユーロキャリートレードと言われています。

これまで、ユーロがマイナス金利で最弱通貨だったわけで、ユーロキャリートレードが流行っていました。ところが、EU圏内のインフレ率が上がってきてECBがテーパリングに踏切るという観測が急速に高まってきて、そうなると金利のほうもガンガン上がって行く事が予想されます。となると、ユーロキャリートレードのうまみはどんどん減っていくことになるので、当然ユーロキャリートレードの巻き戻しが起こってくるわけです。ユーロキャリートレードでは、ユーロを売って新興国に投資するので、ユーロ安、新興国通貨高になります。ユーロキャリートレードを手仕舞いするとその逆で、ユーロ高、新興国通貨安になるはずです。

現状をみると確かにユーロは上がっていますが、新興国通貨の方も上がっています。クロス円が鬼上げしているところを見ると、ユーロでキャリートレードをしていた連中が、円に乗換えてキャリートレードを始めたんじゃないかと思ってます。北朝鮮やロシアゲートの問題で、リスク満載のこの時期に意地になって円を売るなんて、よっぽどキャリートレードがおいしかったんでしょうね。

キャリートレードなんて長期投資が基本でしょうから、円キャリートレード厨はクロス円が長期的に上がると見ているということです。となると、短期勢が売込んで来ても、それが押し目になって上がる可能性が高い。米朝戦争やトランプ弾劾が起こらないというのが前提になりますけどね。

まあ、戦争とか弾劾になっても今までのような強烈な円高は来ないと思いますけど。だって、フランスの大統領選挙でマクロンが勝利して、EU分裂の危機は去りましたから。ユーロというのは本来はリスク回避通貨だったのですが、EU分裂の危機で逆にユーロがリスク通貨になっていました。そのせいでリスク回避といえば円かスイスフランしか選択肢が無くなっていました。何かと言えば円とスイスフランが迷惑を被っていましたが、このたびユーロがリスク回避通貨の座に帰り咲いたということで、ちょっとは負担が軽減されるのではないかと見ています。

というわけで、クロス円が下がってきたら押し目買いを狙ってみても良いんじゃないかと思います。